商業史レポート@ 「商業の発展と豪商の繁栄」


7.幕藩体制の確立


【幕藩体制の確立】

 織豊政権の後を受け、徳川氏十五代、265年に亘る江戸時代が始まった。将軍を頂点に、幕府と藩で全国の土地と人民を治める幕藩体制が、統治の基本となる。諸藩がそれぞれの立場で藩政を整え、幕府も天下の支配原則に著しく背離しないかぎり藩の権力を認めながら、政権を確立していった。
 幕府は経済的基盤として、全国石高のおよそ四分の一を天領と旗本領とした。また、長崎、奈良、伏見、堺、伊勢山田といった重要都市の直轄支配や、佐渡、石見、伊豆の鉱山を直轄経営して貨幣鋳造権を独占することにより、大名の経済的自立力を抑えた。


【鎖国】

 徳川家康は平和な貿易の拡大を目指したため、朱印船貿易、糸割符貿易など、外交は活発に行われた。その政策が変更されたのは、三代将軍徳川家光の鎖国政策においてである。鎖国により、海外貿易と交通は大幅に規制された。
 鎖国の目的は、キリシタンに対する禁教、江戸幕府による貿易統制と独占、国防などがあげられるが、やはり、幕藩体制の維持と徹底にその狙いはあった。
 鎖国政策のもとでの日本の貿易は、長崎貿易、朝鮮貿易、琉球貿易の三つに限られていたとされるが、貿易活動が盛んでないわけではなかった。


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