バドミントンTopicsT 〜ハイバックの打ち方〜


◆ハイバックの打ち方 〜ハイバックのごまかし方〜

 ハイバックに苦手意識を持っておられる方は、老若男女を問わず多く見受けられるように思います。そこそこ実績のある選手であっても、苦手に思っておられる方はけっこういらっしゃるようですね。私はどうであったかと言いますと、ハイバックで打つ際には引き出しやアイデアが乏しかった記憶がありますので、やはり私も、ハイバックが苦手な選手の一人だったのだと思います。
 ハイバックが苦手になる理由として、前世紀末にはよく、ハイバックを上手に教えられる指導者が少ないとか、バックハンドで打つよりもラウンドで打てと教えられているからとか、そういった理由をよく聞いたように思います。それに反するように、これもまた前世紀末によく聞いたことなのですが、選手にハイバックに苦手意識を抱かせないように、バドミントンを始めた瞬間からハイバックをしっかり教えるべきだという意見も、多々うかがったように思います。
 とはいえ、すでに何年もバドミントンを経験しておられるにもかかわらず、ハイバックに苦手意識を抱かれている方々が、世にたくさんいらっしゃることも事実です。しかも、そうした方々が、短期間で劇的にハイバックが改善する方法も、そうそうないように思います。ですので、あまりよくないことかもしれませんが、ここでは当座の対処療法としまして、いかにごまかしながらハイバックを打つかについて、書いてみたいと思います。
 まず最初は、ハイバックで打つときは、安パイとしてクリアーを打っておくやり方です。確実に相手コート奥に返すことで、自分の体勢を立て直すことができます。とはいえ、女子選手であったり、私のように非力な選手にとりましては、これはけっこう難儀なことかもしれません。無理に打とうとして体勢を崩し、さらに中途半端に上げることになってしまっては、ただ命取りになるだけですしねΣ( ̄▲ ̄;)
 そこで次に、ハイバックからスマッシュやドライブを打つ方法が、あげられると思います。スマッシュと言いますと力強く聞こえるかもしれませんが、ここでのハイバックで打つスマッシュは、言ってしまえば逃げやつなぎのスマッシュです。ハイバックからドロップを打っても、それを読んで相手が前に詰めている場合もあります。それを避けるために、強めの打ち下ろしショットを打っておくわけですね。これは、色々な選手にそこそこ見受けられる、ハイバックの打ち方だと思います。
 とは言いましても、女子選手や、ハイバックで打つこと自体が苦手である方にとりましては、これもまた難しい方法なのかもしれません。そうした方々は、スマッシュではなく、サイドライン沿いに相手コートのハーフ辺りに沈むように、もしくはもうちょっと奥を狙って、ドライブを打ってみてはいかがでしょうか。しかも、高い打点でハイバックを打つのではなく、肩の高さ辺りでラケットを横振りする打ち方を、おすすめしたいと思います。あまり格好いい打ち方ではありませんが、これは、私が現役時代にそこそこやっていた打ち方です。ラケットを横振りでぶん回すことで、私は非力さを解消していました。下手にネット前に逃げるよりかは、ラリーのつなぎになると思いますよ。
 最後に、私がハイバックで最も打っていたショットについて、書いてみたいと思います。カットの大好きな私は、ハイバックでもやはり、カットやカットスマッシュを多く打っていました。今は打てないのですが、ハイバックでリバースカットも打っていた記憶もあります。クロスにもストレートにも、自由自在に簡単に打ち下ろしショットが打ててしまう。これがカットの魅力であり、また悪魔の囁きでもあります。使い勝手がいいからと言ってあまり打ち過ぎると、次第に相手に読まれ、ここぞという時に使えなくなってしまいますΣ( ̄▽ ̄;)
 ハイバックでカットを打つコツとしましては、クロスネットやスピンネットのところでも書いておりますとおり、やはり親指の腹でグリップを押さずに、親指の側面でグリップを軽く押しながら手首を柔らかく使う方が、打ちやすいのではないかと思います。手首を柔らかく使うことで、スピードや角度のコントロールもしやすいですし、フェイントもかけやすいですしね。現役時代の私は、この打ち方で、ジャンピングハイバックカットスマッシュというショットも試していたのですが、あまり実戦で使うことのないまま、バドミントンをやめてしまいました。ジャンピングハイバックカットスマッシュ。自分では格好いいと思っていたのですが、今思えばネーミングからしてふざけていますねσ(^◇^;)
 ところで先日、神戸Y手大学バドミントン部主将のA馬君にハイバックの打ち方を教えておりましたところ、これがまた、驚くほど上手でした。何に驚いたかと言いますと、A馬君はバドミントン経験の少ない、いわゆる初心者なのです。フォアハンドは、グリップを握りしめてしまっているせいで、まだまだ思うようには打てていません。なのですが、ハイバックを打たせてみたところ、肩や腕からきれいに力が抜け、実に優しく丁寧に打つことができているのです。ハイバックは初心者の段階からしっかり教えるべきだという意見も、なかなか真実なのかもしれませんね(´з`)y━~~


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