バドミントンTopicsT 〜スマッシュとラケットA〜


◆スマッシュとラケットA

 私自身は、ヘッドが軽く、シャフトが柔らかめのラケットが大好物でした。そんな私が学生時代に愛用しておりましたラケットは、もうずいぶん以前に製造中止となってしまったはずの、ヤマハのイオス70(YAMAHA EOS70)というラケットです。大変ヘッドが軽く、また鋭くしなやかなラケットであった記憶があります。このEOS70を使用したおおよその感覚としましては、初心者用のヘッドが軽くシャフトのとても柔らかなラケットに、適度な鋭さを加えたようなイメージでしょうか。
 まあ、私が使っていたからといって大しておすすめもできないのですが、私よりも遥かに遥かにすばらしい選手も、このEOS70を愛用しておりました。こちらもまたD志社大学の先輩である、S藤さんです。
 S藤さんはバドミントンマガジンの表紙も飾るなど、学生時代には大変華々しい活躍をされた方だったのですが、どのような選手であったかと言いますと、鋭くしなやかという言葉がよく似合う、ベタですがカモシカのような方でした。筋肉もマシュマロのように、まあ驚くほど柔らかく、そのせいか、何せ振りが鋭くしなやかであった印象がとても強く残っています。関節も、とても柔らかかったのでしょうね。
 そんな肉体を持つS藤さんですから、スマッシュを打つときなどは特に、ムチのように柔らかく腕をしならせてピュッと鋭くラケットを振り抜くわけです。その美しいフォームには、きっとファンも多かったに違いありませんΣ( ̄▽ ̄;)
 例えるならば、前出のK村さんがメジャーリーガーの松井秀喜選手のようだとしましたら、S藤さんはイチロー選手のようなイメージでしょうか。軽いラケットを、ピュッと鋭くしなやかに振り抜くように打たれていました。とはいえ、軽く打っているように見えても、決してスマッシュが遅かったわけではありません。むしろ、S藤さんのスマッシュは、速く鋭くキレキレでしたよ。
 というわけで、身体のキレやしなやかさに自信のある方は、ぜひ、ヘッドが軽く、シャフトが柔らかめのラケットを使ってみてはいかがでしょうか。細かなコントロールも効きやすいですし、ちょっとした肘や手首の捻りで、コースも自由自在に打ち分けることができるのではないかと思いますよ。EOS70が現存すればおすすめしたいのですが。。。製造中止となる前に、S藤さんがEOS70を何本も買いだめされていたのを思い出します。
 EOS70と若干感覚が似ていると思うのですが、ちなみに私は、現在はヨネックスのナノスピード6600(YONEX NANOSPEED 6600)というラケットを使用しています。振り抜きやすいですし、四十肩の私にも優しいラケットだと思いますσ(^◇^;)
 最後に、私がヘッドが軽く、シャフトが柔らかいラケットを使用していた理由についてなのですが、もちろん、振り抜きやすかったのもあるのですが、何よりも、シャトルにカットやスピンをかけやすかったからです。スマッシュも大半はカットスマッシュを打っておりましたし、そういうカット系の球を多く打っていた私としましては、ヘッドの重いラケットでは手首や肘に負担がかかりやすかった(手首や肘のスタミナが持たない、とでも言いましょうか)んですね。ですので、バドミントンは変化球の競技であるという、かなり少数派な信念をお持ちの方々にも、ぜひ、ヘッドが軽くシャフトが柔らかいラケットをおすすめしたいと思いますΣ( ̄▽ ̄;)


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