バドミントンボイス 指導者
 
監督の心得 〜バドミントン部監督の三か条〜
 

 タイトルが少々大げさかな、とも思いますが、まず、私がバドミントンをしておりました前世紀末頃に感じた、人気のあった監督やコーチといった指導者さんたちの印象について、簡単に書いてみたいと思います。
 主に学校バドミントン部の指導者さんになりますが、私が見たり実際に指導を受けたりしました監督さんで、選手たちに人気があった方たちは、やはり熱血漢な方が多かったように思います。真面目な熱血漢よりも、どちらかというと、どこか無頼な雰囲気を漂わせながらも、その実けっこう熱い監督さんのほうが、より人気があったかもしれませんね。そうした、選手たちの支持を受けていた監督さんたちの特徴を端的に申し上げますと、「好かれること」「嫌われること」「尊敬されること」の三つが上げられるかと思います。前世紀末に人気のあった監督さんたちは皆共通して、この三か条をセットで持っておられたように思いますよ。
 それに対して、今世紀に合った監督像を何となくですが思い描きますと、「好かれないこと」「嫌われないこと」「尊敬されないこと」が、そこそこ大事なのではないかと思います。これは、それほど深く考えたわけでもなく、ふと思った三か条に過ぎないのですが、字に表しますと、なんだか冴えない中間管理職の処世術のようで、ずいぶん見映えが悪いような気もしてきますね。
 この三か条は、要は部員との関係のあり方と言いますか、距離や立場のとり方とでも言いましょうか。うまくは言えないのですが、「オレについてこい」とでもいうような、監督個人の魅力でクラブ全員を引っぱるよりも、部員一人一人と、地味に地道に信頼関係を結ぶことが、一般的なクラブの監督さんの大事な役目ではないのかな、と思います。強い部員だけが主人公なのではなく、また勝利だけがスポーツの価値ではない。こう言うと負け犬っぽいかもしれませんが、「好かれること」「嫌われること」「尊敬されること」の三点セットを如実に体現されている、いわゆるキャラの濃い監督さんが率いていたクラブは、往々にして強さや勝利になかなか拘っておられるように見え、チーム内での選別や格付けと言いますか、今思えば淘汰の仕組みが偏っていたんじゃないかなあと思う、そんな今日このごろです。競争のあり方が、前世紀とはずいぶんと変わってきているのかもしれませんね。
 キャラの立った監督さんは、個人的にはとても好きです。しかし今は、部員一人一人としっかり向き合うことのできる監督さんが、必要とされているのかもしれませんね。こんなことは、長く指導者をされている方は、当り前のように毎日取り組んでおられることなのでしょうが、これから指導者を目指される皆さん、特に選手時代をキャラで勝負されてきた方々は、「好かれないこと」「嫌われないこと」「尊敬されないこと」の三か条を、ぜひ意識してみてくださいね。
 他競技では、練習前に、部員一人一人としっかり目を合わせて握手を交わす監督さんもいらっしゃるようです。私の書いた変な三か条よりも、そうした心構えが大事なのかもしれませんね。

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