そこそこ長いバドミントン経験があり、またけっこう体力もあるにもかかわらず、試合であまり勝てない方々もいらっしゃいます。そうした方々の中には、色々な選手や指導者から、技術や戦術について様々なアドバイスを受け過ぎて、逆にどうすればいいのか、わからなくなってしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、そうした細かな問題点ではなく、ラリーのリズムとでもいうものについて、ざっくりと書いてみたいと思います。
　私が思いますに、試合であまり勝てない方々は、往々にして、バドミントンのリズムが安定してらっしゃらないように見受けられます。上手に打とうと考えすぎたり、何とかシャトルを打ち返すことばかりに集中してしまっているのでしょうね。ノリが悪いといいますかノリきれていないといいますか、何ともジタバタと一人相撲ばかりされているように見えてしまいます。カラオケでいえば、音を外してしまったり、歌詞が本来の曲からずれてしまっている状態かもしれません。ですので、そうした方々は、まずはご自身のバドミントンのリズムを、身体に馴染ませてみてはいかがでしょうか。ダブルスにもシングルスにも、ご自身に合ったリズムがあると思いますよ。ご参考までに、私のラリーのリズムについて、紹介してみたいと思います。
　まず、ダブルスのラリーのリズムについてですが、私のリズムは、ベタにユーロビートでした。昨今巷でよく流れている音楽で言いますと、ガガ様のようなリズムでしょうか。トゥントゥントゥントゥン♪トゥントゥントゥントゥン♪と、あのちょっと鼓動が速くなったようなリズムが、試合中にはいつも頭の中で響いていたものです。
　このトゥントゥントゥントゥン♪を身体に馴染ませるために、私が最も好んで取り組んでおりました練習は、基礎打ちのプッシュのレシーブです。速めのプッシュを打ってもらい、こちらもネットすれすれを狙って速いドライブを返球していました。それをテンポよく続けることで、トゥントゥントゥントゥン♪が身体に染み付いたように思います。プッシュだと感覚が掴みにくい方は、至近距離のドライブ合戦でもいいかもしれませんね。
　次に、シングルスのリズムについてなのですが、私にとりまして、シングルスはワルツでした。ウンタッタ♪ウンタッタ♪という、社交ダンスなどで流れているアレですね。これもまた、試合中にはいつも頭の中で流れていたものです。そして、このウンタッタ♪のリズムのおかげで、ミスジャッジでカッカしていたときや、ガツガツ打ちすぎて自爆していたときなどに、ふと落ち着けて平静さを取り戻せていたようにも思います。ただし、私はシングルスはあまり強くはありませんでしたので、実はリズムを掴み損ねていたのかもしれません。
　ややふざけた内容になってしまいましたが、勝てずに悩んでらっしゃる方は、ぜひ、ご自身のラリーのリズムを見直されてみてはいかがでしょうか。細かな技術や戦術を気にすることも大切ではありますが、自分に合ったリズムを身に付けることで、バドミントンが改善することもあるかと思いますよ。